「自分で油絵を描いてみたい!」
そう思ったことはありませんか?
「学校の美術の授業でやったことはあるけれど、完成しないうちに時間がきてしまった…」
もしかしたら、そんな経験をお持ちで、改めて油絵に再挑戦したいという方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、油絵初心者の方に向けて、
・どのように油絵を始めたらいいのか
・どんな油絵の道具を揃えればいいのか
・参考にしたい油絵のおすすめアート作品
を、一つずつ解説していきます。
そもそも油絵とは?
Pink mist by Ruslan Kiprich
W 65.00cm x H 50.00cm|¥120,000
油絵の定義
油絵とは、油絵の具を使って描かれる作品のことです。
絵画作品は、基本的に
「描く画材」+「描かれる画材」=描画材 + 支持体
の2種類から成り立っています。ここからは、描画材と支持体という言葉を使っていきます。
油絵の具が当てはまるのは、描画材の方です。描画材は、他に透明水彩絵具、アクリル絵具、日本画で主に使われる岩絵具、テンペラ絵具、インクや染料、マーカーやペン、鉛筆や木炭などがあります。
支持体にもたくさんの種類があり、一般的に市販されているのはキャンバス、木製パネル、綿布、和紙、水彩紙、画用紙などで、さらに壁、地面、その他にも何かしらの描画材が固着するものならどんな物質の表面でも支持体になり得ます。
油絵の具の特徴① 乾燥がゆっくり
油絵の具は、他の描画材と比較して乾燥が遅いのが最大の特徴です。
その名の通り、「油」を溶液として、色のもとである「顔料」を画面に固着させるため、油の乾燥時間が水と比べると長いのです。
指で触って絵の具がつかないようになる(表面乾燥)までに1~3日、厚塗りなどをした場合には絵の具の層の内部まで完全に乾燥するのに数ヶ月〜1年もかかることがあります。
そのため、一回の描画の際に乾燥を気にせずゆっくりと色を作ったり、グラデーションを作ったりすることが可能ですが、逆に言えばその次の描画を乾いてから行いたい場合は、数日置いておいてからでないと、半乾きの絵の具を不用意に削り取ってしまう場合もあります。
油絵具の特徴② 色を作りやすい
上のセクションでも触れた通り、乾きが遅いことの最大のメリットの一つにグラデーションを作りやすいということがあります。
また、油絵は下の層が透き通って見えるような透明感を持ったまま乾燥するように絵の具を使うことが可能です。乾燥して絵の具が固まった後も、まるでまだ描きたてで、濡れているかのような輝きをもたせることができます。
油絵具の特徴③ マチエールの幅が広い
matière(マチエール)とは、フランス語で「表面の質感」という意味の言葉です。
油絵具は、特に水彩絵具などと比較して粘性が高いまま使うことが可能です。その状態で画面に置けば、まるで粘土細工をするように表面の凹凸をコントロールすることすら可能になります。
激しい凹凸でデコボコした質感を表現したり、逆にフラットで滑らかに絵の具をおくことでヌルッとした質感を表現したり。油絵具は、質感の表現において他の画材より群を抜いて自由度が高いのです。
油絵に必要な道具とは
油絵具という道具の性質をざっくり理解できたでしょうか。
次は、実際に描く際にどのような道具が必要になるかを列挙したいと思います。
必須の道具
油絵具セット
まずはこれがなければ油絵にはなりませんね。市販では、最も購入しやすく長く使いやすい12色セットがおすすめです。基本色と呼ばれる、最も普及している厳選された種類の絵の具が収められているため、どのメーカーの12色セットでも問題ありません。
いろんな綺麗な色を使いたいという方には、値段は張りますが、24色セットや36色セットをおすすめします。国内最大手のホルベインというメーカーのものであれば比較的安く手に入ります。
国内のメーカーは一般的なものが何社か存在し、海外の製品ほど高価な傾向にあります。その分、顔料の含有率が高かったり、誰もが知っている有名な巨匠が愛用していたなどの箔付きです。
最近の製品では、国内の絵具でも十分に世界的な品質を保っているため、大手を選んでおけば間違い無いでしょう。ホルベイン、クサカベなどのメーカーが安心です。
ホルベイン公式サイト
クサカベ公式サイト
筆
筆は様々な種類があります。筆を選ぶ際には、2つの基準で見ましょう。
「形」と「毛」です。
形の種類には、平筆(フラット / フィルバート / アングル)、丸筆(ラウンド)、ファン、面相などがあります。
毛の種類には硬さ順に、豚、ナイロン、オックス、馬、ラクーン(たぬき)、リス、セーブル、コリンスキー(赤テン)などがあります。
油絵具は、水彩絵具と比べるととても硬い=粘性が高いため、豚毛などの太くてしっかりと強いコシのある筆との相性が良いと言われています。豚毛の筆は一般的に使われている中では最も硬い毛なので、盛り上げた絵具に残す筆跡などに役立ちます。
コリンスキーなどまでいくと、柔らかく絵の具含みの良いものになってきます。これを軟毛と言います。軟毛の筆は、薄く筆跡の目立たない絵の具をのせるときにとても役立ちます。
キャンバス
キャンバスにも種類があります。
最も一般的なのは麻(アサ)という種類の繊維で織られたキャンバスです。リネンとも言います。画材屋さんなどで木枠に張ってある状態の「張りキャンバス」で購入すると、大抵下地剤の白い塗料が塗られています。
それを裏から見ると暗めのくすんだ茶色をした布です。
また、綿(コットン)と化学繊維の混紡キャンバスもよく販売されています。
パレット
パレットは、伝統的には木で作られた木製パレットが使用されることが多いです。
ビギナーセットにも木製パレットが含まれていることが一般的です。
また、「紙パレット」と呼ばれる、使い捨てのパレットも広く使われています。こちらは、特に油絵具は乾燥してからパレットから洗い流すということは難しいので、一枚使った後に剥がして新しい一枚を使うというやり方が可能です。
画用液(溶き油)
画用液(溶き油)は、おおよそ2種類のものを使い分けましょう。
ペトロール(ターペンタイン)などの揮発性油と、リンシードやポピーなどの乾性油があります。
揮発性油はサラサラしていて、絵の具に混ぜると薄くシャバシャバした絵の具になります。また乾燥が早く、名前の通りすぐに揮発するような油です。
それに対して、乾性油は元々チューブに入っている絵の具にも混ざっていますが、ねっとりとしていて乾燥が遅いのが特徴です。絵の具の発色を良くして、混色や、重ねて描くグレーズ技法なども乾性油を使うことで可能になります。
また、初心者に使いやすい「ペインティングオイル」も販売されています。ペインティングオイルは、揮発性油・乾性油・樹脂など様々な溶油の材料がちょうどよく配合されており、描き出しから仕上げまでこれ一本で使い倒せます。
小さいお皿や油壺
溶き油は、自分で何種類かを混ぜたりして使うことができます。小さい小皿や、油壺というパレットに直接取り付けられるものを使うのが一般的です。
ペインティングナイフ
この道具は、パレット上で絵の具を混合する時や、さらにそのままキャンバスに厚塗りをする時などに多様な使い方をできます。
適度なしなりを使って、クリームを混ぜるように絵の具を混ぜることができます。
筆洗液・石鹸
絵を描き終わったあとは、まずテレピンなどで粗めに絵の具を落とします。
次に、筆洗液で洗浄することで、油分を落としていきます。
さらに最後に石鹸で筆洗液の成分をしっかりと落とし、最後によく水を切って乾かすことで筆の寿命が長くなります。
ウエス・キッチンペーパー
絵を描いている途中に別の絵の具をつける時、最後に洗う前など、サッと筆から絵の具を落としたい時にはウエスという布やキッチンペーパーなどのしっかりしたものを使うと良いでしょう。
また、絵を描いている時にも、画面上から絵の具を拭き取るという使い方をすることもできます。
道具選びのポイント
上記の必須セットがまとまった、「油絵ビギナーセット」も各メーカーから発売されています。
まずはそこからスタートしてみて、適宜足りない道具や使ってみたい道具が出てきた時に買い足す、というやり方が最も経済的にも学習の面でも効率が良いでしょう。
必須ではないが持っておくと表現の幅が広がる道具
・ローラー
・マスキングテープ
・モデリングペースト
・ジェッソ
・ジェルメディウム
・アクリル絵具
・硬筆(鉛筆、木炭、色鉛筆、オイルパステル)
・イーゼル
・アクリル絵の具
油絵のおすすめアート
自分で油絵を描くのは楽しいものです。
しかし、弊社TRiCERA ARTには、ハイクオリティでお手頃な価格の作品がたくさんあります。
日頃の感謝を伝えるプレゼントとして贈るために、はたまた自分の趣味のペインティングの参考にするなど、絵の用途はたくさんあります。
今回お伝えした油絵の特徴をうまく活かした作品を3枚ご紹介いたします。
A horse living in a fragment of the stars by Takuya sasaki
W 30.00cm x H 30.00cm|¥200,000
RED BLACK by MIHO NISHIKAWA
W 91.00cm x H 116.70cm|¥500,000
KS180512 by Zeng Chao
W 53.00cm x H 53.00cm|¥160,000
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