現代アートとは何か
「現代アート」と聞いて、皆さんはどのようなものを想像するでしょうか?
実は、専門家の間でも「現代アート」の定義は人によって大きく異なります。しかし、それでも美術館やギャラリーに行くと「現代アート」という言葉は盛んに使われています。
「難しい」が枕詞の現代アートは、ざっくりいうとどんなものなのでしょうか?
作品はさまざまなコンセプト、背景、物語に基づいて内容を持っています。そして、それはどのような形によっても表現されます。
目に見えるものは一つもないのに、「これは現代アート作品だ」と皆が認めたくなるような作品もあるでしょう。
その作品によって引き起こされた鑑賞者の頭の中の創造的行為が、フィードバックループのように作品を作品たらしめているのだともいえます。
ジャンル別に見る現代アート
インスタレーションアート
1970年代から本格的に始まった「インスタレーション」と呼ばれる作品形態は、作品が存在する空間全体を作品と捉えるものです。
絵画・彫刻のように一点のみを集中して鑑賞するのではなく、その場の空気感、音、自由に歩き回れるスペースなどを特徴としています。
現在は映像やサウンド、コンピュータやセンサーを利用した対話的なもの、人工知能やバイオテクノロジーの利用も含めたインスタレーション作品などがあり多様化しています。
草間彌生
メディアアート
1990年代より、コンピューター・電子機器などの現代のテクノロジーを使用して作る作品を広く「メディアアート」と呼びます。
鑑賞者の動きや熱、姿などをセンサーやカメラで捉えてアウトプットにリアルタイムで反映させることで成立するインタラクティブアート、インターネット上のブラウザなどの媒体を使用して表現をするウェブアート、映像、音楽を使って没入的な空間を作るインスタレーション型作品もメディアアートに含まれることがあります。
落合陽一
コンセプチュアルアート
コンセプチュアルアートは、1960年代より普及したジャンルです。作品のコンセプト(テーマ)を最も重要視し、それを形にするものがレディメイド(既製品)であろうと関係ありません。
むしろそのようなものによってこそ、コンセプトの明快さが伝わるという点まで含めてコンセプチュアルアートの一部になっています。
従来のように職人がモノを作るのではなく、アイディアや概念を作るのが特徴です。
フェリックス・ゴンザレス=トレス
リレーショナルアート
フランスの芸術評論家ニコラ・ブリオーは、1998年に発表した「関係性の美学」の中でリレーショナル・アートを提唱しました。
共同作業や出会いを通じて交わされる人間同士のつながりなど観客との関係性の要素が含まれているアートを指します。
リクリット・ティラバーニャは1990年にニューヨークのギャラリーでパッタイ(タイ風やきそば)を振る舞い、1992年、1995年にはタイカレーを振舞った観客とのコミュニケーションを重視するパフォーマンスで注目を浴びました。
リクリット・ティラバーニャ
パフォーマンスアート
パフォーマンスアートは1960年代以降に隆盛した、身体を媒介にした芸術表現です。
マリーナ・アブラモヴィッチや、ヴィト・アコンチなどが代表的なアーティストです。
オノヨーコ
有名な現代アート作品・作家
マルセル・デュシャン《泉》
1917年
既製品である男性用小便器をひっくり返し、「R.Mutt」というサインを施しただけの作品。
見た目の美しさではなく、「どんなものでも、美術館に展示されていれば作品と呼ぶことができる」というアート界を秘密裏に支配していたルールを明らかにした作品ということもできます。
フェリックス・ゴンザレス=トレス《Untitled (Perfect Lovers) 》
1987 - 90年
同性愛者、またキューバ出身という出自でマイノリティの生を生きたフェリックス・ゴンザレス=トレスは、この作品においてエイズで亡くした恋人と自分がそれぞれを生きている二つの時間を、二つの時計に託しました。
ジェームズ・タレル《Perfectly Clear (Ganzfeld)》
2011年
ジェームズ・タレルは、1943年アメリカ生まれのアーティストです。体験没入型で、物質としての光を可視化させるアイデアの具現化を試み続けています。
アニッシュ・カプーア《White Sand, Red Millet, Many Flowers》
1982年
アニッシュ・カプーアは、視覚の現象の一つを顕微鏡的に拡大し、大規模で圧倒的な存在感を放つ作品を制作しています。
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