アートの高額取引はオークションで行われる
しばしば、サザビーズやクリスティーズといった有名オークションで超高額の値段がつくことで有名な絵画作品。
他の業界と比べても、一つの作品につく値段が度を越して高額なためニュースになることもよくあります。
過去には、ストリートアーティストのバンクシーの作品が出品され落札された瞬間に、仕込まれていたシュレッダーで作品が裁断されるというセンセーショナルなパフォーマンスもありました。
世界のアートオークションでは、どれくらい高額の値段がついたのでしょうか?
過去最も高く取引されたアート作品とは
レオナルド・ダ・ヴィンチ 《サルバドール・ムンディ》
513億円
売却年:2017年11月 制作年:1499年 - 1510年
オークションハウス:クリスティーズ
史上最も高額で取引されたのは、513億円で売却されたレオナルド・ダ・ヴィンチの「Salvator Mundi」です。
この作品は、何度も行方がわからなくなったり、誰の所持になっているのか不明な時期がありました。
2017年にクリスティーズ・オークションに出品される際には、大規模な修復作業が必要な状態になっていたといいます。ルネサンス芸術を専門に研究している専門家の中には、「Salvator Mundi」がレオナルドの作であるかどうかに疑問を呈している人もいましたが、それにもかかわらずこの作品は史上最高額の513億円で落札されました。
落札者は公表されていません。
100億円以上で取引された絵画15選
1. ウィレム・デ・クーニング《インターチェンジ》
411億6千万円
売却年:2015年 制作年:1955年
オークションハウス:個人売買
解説:2015年9月、米大手ヘッジファンド運用会社シタデル・インベストメントの創業者ケネス・グリフィンにより、約3億ドルで落札されました。
《インターチェンジ》は抽象表現主義の代表的な作品で、作品全体は躍動感に満ちています。
画面にはいかなるオブジェクトもなく、「悲しい」や「嬉しい」など特定の感情をはっきり描写しているわけでもありません。
それにも関わらず、鑑賞者にはダイナミズムや動きの感覚を呼び起こすよう意図して描かれていると考えられています。
2. ポール・セザンヌ《カード遊びをする人々》
240億8千万円
売却年:2011年 制作年:1894年 - 1895年
オークションハウス:個人売買
解説:実は、セザンヌは「カード遊びをする人々」というテーマで5枚もの絵画を制作しています。
それらは、ニューヨークのメトロポリタン美術館、オルセー美術館やコートールドギャラリーなどに収蔵されています。
史上3番目の高額がついたセザンヌのこの作品は、実はカタール王族がギリシャの海運王ジョージ・エンビリコスから購入しました。
3. ポール・ゴーギャン《いつ結婚するの?》
252億円
売却年:2014年 制作年:1892年
オークションハウス:個人売買
解説:ゴーギャンは1891年に初めてタヒチ島を訪れました。ゴーギャンの望みは、当時のフランスの画家たちが芸術運動の中で主張していた「まがい物」の原始主義でなく、純粋で「素朴な」作品を制作できるような地上の楽園を見つけることでした。
しかし彼はタヒチに着くと、そこが想像したような場所でないことをすぐに思い知ります。タヒチは18世紀から植民地化され、ヨーロッパから持ち込まれた疫病によって島の原住民の少なくとも 2/3 が犠牲になっていたと言われています。
そして文化の面でも素朴さは消え去っていました。ただ、それにもかかわらず、ゴーギャンは原住民の女性の絵を多く描きました。
それらは裸体であったり、タヒチの伝統的な衣装を着ていたり、《いつ結婚するの?》にあるような西洋の伝道師風の服を着ていたりなどさまざまな衣服を実験しています。
4. ジャクソン・ポロック《ナンバー17A》
274億8千万円
売却年:2015年 制作年:1948年
オークションハウス:個人売買
解説:美術批評家のクレメント・グリーンバーグが「オーバーオールの平面空間」と呼んだ、ポロックの斬新な抽象画。彼は、キャンバスを床に敷き、ドリッピングと呼ばれるような絵の具を滴らせる技法で絵画を制作しました。
実は、この作品の購入者は先ほどのデ・クーニング《インターチェンジ》を購入したシタデル・インベストメント・グループの創業者ケネス・グリフォンでした。
5. グスタフ・クリムト《水蛇 II》
192億4千万円
売却年:2013年 制作年:1904 - 1907年
オークションハウス:個人売買
解説:ロシアの実業家ドミトリー・リボロフレフという人物が、2013年にスイスの大物アートディーラーであるイブ・ブヴィエから約192億円で購入しました。
この作品は、クリムトの最盛期の作品をとされています。官能的な表現が多く、検閲や制限とも時折戦わなくてはならないクリムトでしたが、水中生物(水蛇)というものはそれを隠喩的に伝える良いモチーフでした。この作品では、水の中を優雅に泳ぐ水蛇に二人の女性が喩えられています。
6. マーク・ロスコ《No. 6 (バイオレット、緑、赤》
280億3千万円
売却年:2014年 制作年:1951年
オークションハウス:個人売買
解説:マーク・ロスコは、大きな画面を色面分割したシンプルな作品で有名な、アメリカ抽象表現主義を代表する画家です。
作品タイトルに「No.6」と機械的な番号が振られていたりと、具体的なモチーフはなく色の印象だけで鑑賞者に強烈なメッセージを伝えています。
この作品を制作した時代のロスコはまだ画家として売れる前で貧しく、苦しい時期であったといわれています。
7. レンブラント・ファン・レイン《マルテン・スールマンスとオッペン・コピットのペンダント肖像画》
271億円
売却年:2016年2月 制作年:1634年
オークションハウス:個人売買
解説:ロスチャイルド家は、銀行家で約200年にわたりヨーロッパの経済史、間接的には政治史に大きな影響を及ぼしてきた家系です。
実はこの作品はロスチャイルド男爵が保有していたものでした。
男爵が手放すことを決め、フランスとオランダの美術館が火花を散らすことになったこちらの2枚の肖像画は、男爵のベッドルームに掛けられていました。
8. パブロ・ピカソ《アルジェの女 バージョン0》
269億8000万円
売却年:2015年5月 制作年:1955年
オークションハウス:クリスティーズ
解説:2015年5月11日、当時の最高額で落札されたのがピカソの《アルジェの女 バージョン0》でした。
クリスティーズで開催され、開始と同時に白熱した電話入札合戦が11分余りにわたって展開されたと言います。
事前の予想落札価格は1億4000万ドル(約168億円)でしたが、それを大きく上回る結果になりました。
260億6000万円
売却年:2022年2月 制作年1636年
オークションハウス:個人売買
解説:エリー・ド・ロスチャイルドによって所有されていた本作品は、アムステルダム国立美術館によって260億円という超高額で購入されました。
レンブラントは自画像をいくつも描いた画家で、この作品では特に幽玄な光に照らされる画家の豪奢な服の質感が的確に描かれています。
256億6000万円
売却年:2022年5月 制作年:1964年
オークションハウス:クリスティーズ
解説:《Shot Sage Blue Marilyn(撃ち抜かれたマリリン)》は、ニューヨークのダウンタウンにあるウォーホルのスタジオで、アーティストのドロシー・ポドバーが、積み重ねられていた作品に向かってピストルを撃った事件で知られる「ショット・マリリン(撃ち抜かれたマリリン)」のうちの1枚で、過去50年にわたり個人コレクションとして保有されていました。ウォーホル作品としては、2013年にサザビーズで記録した《Silver Car Crash(Double Disaster)(銀色の車の事故〈二重の災禍〉)》(1963)の落札価格、1億540万ドルのほぼ2倍となり、ウォーホルの評価の高まりを象徴するような落札価格になりました。
256億4000万円
売却年:2015年 制作年:1917年
オークションハウス:クリスティーズ
解説:2015年、美術作品の史上最高予想落札をつけた作品として注目を集めていたアメデオ・モディリアーニの《横たわる裸婦》が落札されました。
モディリアーニは、生涯で横たわる裸婦像を22枚、座る裸婦像は13枚残しており、本作は横たわる裸婦の1点になります。
また、サイズも縦89.5×横146.7cmとモディリアーニ作品の中では最大級です。
247億7000万円
売却年:2006年 制作年:1948年
オークションハウス:サザビーズによる個人売買
解説:現在、「ナンバー5, 1948」は、メキシコ人投資家デヴィッド・マルチネス氏が所有しています。
2006年11月、マルチネス氏が、ゲフィン・レコードの創始者デヴィッド・ゲフィン氏より1億4000万ドルにて購入したと言われています。
243億2000万円
売却年:2006年 制作年:1953年
オークションハウス:個人売買
解説:ジャクソン・ポロックと並んでアメリカ抽象表現主義を先導していたデ・クーニングですが、やはり彼の特徴はその強い筆致に見られます。
オランダのロッテルダムに生まれ、オランダにいる間はピート・モンドリアンの「デ・ステイル」運動にも関わっていましたが、1926年にアメリカに密航します。デ・クーニングは、アルメニア系の画家アーシル・ゴーキーに強い影響を受けたと言われています。
また、ノースカロライナにあるブラックマウンテン・カレッジでも教鞭をとり、後進の育成にも旺盛に携わった画家でした。
約240億円
売却年:2017年 制作年:1962年
オークションハウス:個人売買
解説:《マスターピース》は、リキテンスタインが1963年にロサンゼルスのギャラリーで初個展を開催した際に発表した中の一つの作品で、当初からコミックの表現を絵画に持ち込んだ独特のスタイルが見られます。
また、画面中の人物は「この絵画はマスターピース(古典作品)になるわよ!」というセリフを喋っていますが、これはのちにポップアートの騎手としてアンディ・ウォーホルと共に成功を収めたリキテンスタイン自身の将来を示唆しているとして人気のある作品です。
ちなみにこの作品の元になったコミックの吹き出しには「いつか苦しみは過ぎ去るわ」という内容が書かれていましたが、リキテンスタインはこのように書き換えました。
15. グスタフ・クリムト《アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 I》
238億8000万円
売却年:2006年 制作年:1907年
オークションハウス:クリスティーズ経由の個人売買
解説:この作品は、エスティ・ローダー社社長(当時)のロナルド・ローダーに売却され、同年7月から現在までニューヨークのノイエ・ガレリエで展示されています。
およそ3年の月日を費やして描かれたこの作品は、油彩と金箔によって豪奢に彩られています。
モデルは、銀行家で実業家のフェルディナント・ブロッホ=バウアーの妻アデーレが務め、《II》も描かれました。フェルディナントは、クリムトの他にも多くの芸術家のパトロンとなっていました。
TRiCERA ARTの「リセール機能」
弊社TRiCERA ARTでは日本はもちろん、世界中の現代アート作品を販売しています。
2023年4月に発表された新機能「リセール機能」では、上記のような高額落札が行われているオークションと同じ機能を実現しています。いわば、作品が世に出る「プライマリー市場」である通常の作品販売に加えて、セカンダリー市場としての働きを実現しているものと言えます。
これは、簡単にいえばアート作品を所有しているコレクターが、所有作品をTRiCERA ARTのオンラインギャラリー上で販売できる機能です。TRiCERA ARTが検品や梱包など出品にまつわる面倒な作業を代行するので、簡単に作品を出品が可能です。また、公式LINEやチャットを通じて無料査定も行っており、売却を検討中の方も気軽に所有アート作品の市場価格が分かるようになっています。
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リセール機能の使い方
簡単3ステップでリセール機能の仕組みを説明します。
・出品審査(作品写真、購入時の情報確認など)
・TRiCERA ARTへ作品送付
・オンラインギャラリーに掲載
まずは作品の内容確認のための情報をご提供いただき、それを元に予想落札価格を査定させていただきます。
公式LINEやチャットを通じて随時受付しておりますので、お気軽にご相談ください。
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