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現代アートは難しい。一体誰が、どんなふうに評価されている世界なのだろう?現代アートを知ろうと思ったことがある方は、そんなふうに戸惑った経験がある方も多いでしょう。「現代アートを理解するための100人」シリーズを読んで、アートワールドの国内・国外の主要なプレイヤーを網羅していきましょう。
デイヴィッド・ツヴィルナーは、ドイツ出身のギャラリストです。ニューヨークやロンドンなど、世界4都市7箇所にあるメガ・ギャラリー、デイヴィッド・ツヴィルナー・ギャラリーのオーナーです。取扱作家にはドナルド・ジャッド、トーマス・ルフ、草間彌生、河原温など、大規模なミニマル作品を制作するアーティストが多く含まれています。昨年2022年には、東京国立近代美術館での個展も記憶に新しい現代最高の巨匠・ゲルハルト・リヒターを新たに迎え入れるとの発表がありました。オンラインでも単体最高価格約8億円などの売り上げを出していたり(ジェフ・クーンズ)、アート界で最も影響力のある100人 Power 100 (Art Review誌)にも毎年高順位でランクインしている最重要人物と言えます。
ラリー・ガゴシアンは、まるで美術館のような高品質な展示をギャラリーで実現し、著名な現代アーティストを扱うメガ・ギャラリーのオーナーです。アルメニア系の両親の元カリフォルニアで育ち、当初はポスターや写真をUCLAのキャンパスで売っていました。次第に同時代の現代アーティストの作品をコレクションしたり展示販売するようになり、ジョン・バルデザーリやブルース・ナウマンなど著名な作家の作品も取り扱うようになっていきます。現在では、世界有数のメガ・ギャラリーとして現代アーティストを多数取り扱っています。
マーク・グリムシャーは、彼の父アーネ・グリムシャーが設立したペース・ギャラリーのオーナーで、やはりArt Review誌のPower 100にランクインしています。2012年には、ゲルハルト・リヒターの作品を約26億円で売却したことでも話題になりました。30年以上同ギャラリーに勤めており、マイケル・ロヴナーやジュリアン・シュナーベルといった重要な現代アーティストを紹介してきました。
マーク・シュピーグラーとフロリアン・ファーバーは、世界最大のアートフェアであるアートバーゼルを主催するシュピーグラー社の代表として活躍しています。アートバーゼルは、1970年から始まったスイス北西部の都市バーゼルで毎年開催されている世界最大規模のアートフェアです。世界の290のトップギャラリーが参加、出品作家数4千人、メインのギャラリー会場では絵画、彫刻、写真、インスタレーション、パフォーマンスやビデオアートなどのジャンルから20世紀と21世紀の様々な話題のアーティストの作品が紹介され、来場者は約95,000人を計測しています。2022年バーゼルで開催されたArt Baselでは出展者がパンデミック前の水準に戻り、フェアは過去最大のマイアミ版を開催するなど、コロナ打撃をうまく切り抜けてアートマーケットの拡大に貢献しています。
エマニュエル・ペロタンは、パリを本拠にニューヨーク、香港、上海、ソウル、東京の6都市にギャラリーを展開するメガ・ギャラリーである「ペロタン」の創業者・オーナーです。今では世界的なアーティストの村上隆やJRなどを初めて紹介したギャラリーとしても知られています。サブカルチャーを多分に引用したアートを美術界に引き込んだという意味で、ペロタンはアートの境界を押し広げてきた革命的な存在と言えるでしょう。
ダニエル・テンプロンは、パリのギャラリー・テンプロンのオーナーです。ギャラリー・テンプロンは、パリ・ブリュッセル・NYに拠点をおく老舗ギャラリーです。1966年にパリで創業し、ジェフ・クーンズ、リチャード・セラ、チャップマン兄弟、ケヒンデ・ワイリーなどのアーティストをフランスで積極的に紹介してきました。また、クリスチャン・ボルタンスキなどのフランス人アーティストとも常に協働してきました。
ナタリー・オバディアは、パリとブリュッセルに拠点を置く、ナタリー・オバディア・ギャラリーのオーナーです。リナ・バナージー、フィオナ・レイ、ジェシカ・ストックホルダーなどのアーティストをフランス語圏に紹介してきました。アートバーゼル(バーゼル、香港、マイアミ)、アートジュネーヴ、NYアーモリーショーなどの世界の主要なアートフェアにも積極的に参加しています。
著者
TRiCERA ART
現代アートの歴史・楽しみ方・各アートジャンルの解説など、役に立つ情報を芸術大学卒業のキュレーターが執筆しています。TRiCERA ARTは世界126カ国の現代アートを掲載しているマーケットプレイスです。トップページはこちら→https://www.tricera.net
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