現代アートは難しい。一体誰が、どんなふうに評価されている世界なのだろう?
現代アートを知ろうと思ったことがある方は、そんなふうに戸惑った経験がある方も多いでしょう。
「現代アートを理解するための100人」シリーズを読んで、アートワールドの国内・国外の主要なプレイヤーを網羅していきましょう。
9. 保坂健二朗
保坂健二朗は、元元東京国立近代美術館学芸員、現在は滋賀県立美術館ディレクターを務めるキュレーターです。
ハウス・コンストルクティヴ美術館など国外での企画も行い、代表的な企画は「フランシス・ベーコン展」(2013年)、「声ノマ 全身詩人、吉増剛造展」(2016年)、「Logical Emotion:Contemporary Art from Japan」(2014年)などがあります。
また、著書も著しており、『アール・ブリュット アート 日本』(共著・監修 発行:平凡社)などがあります。
10. 長谷川新
長谷川新は、1988年生まれのキュレーターです。
京都大学総合人間学部卒業し、専攻は文化人類学。
2013年から2014年にかけて、大阪、東京、金沢にて開催された「北加賀屋クロッシング2013 MOBILIS IN MOBILI-交錯する現在-」展においてチーフキュレーターを務めました。
主な企画に「無人島にて―「80年代」の彫刻/立体/インスタレーション」(2014年)、「パレ・ド・キョート/現実のたてる音」(2015年)、「クロニクル、クロニクル!」(2016-2017年)、「不純物と免疫」(2017-2018年)などがあります。
11. 飯田志保子
飯田志保子は、インディペンデント・キュレーターとして、さまざまな国際芸術祭や展覧会に携わっています。
『あいちトリエンナーレ2013 揺れる大地――我々はどこに立っているのか:場所、記憶、そして復活』では共同キュレーターを務め、10ヶ所以上の会場に作品を展開させた『札幌国際芸術祭2014』ではアソシエイト・キュレーターを務めました。
大学卒業後に東京オペラシティ・アートギャラリーで立ち上げから関わりました。また、国際展では他にもアジアン・アート・ビエンナーレ・バングラデシュ2012」日本公式参加キュレーターなども務め、日本を代表するキュレーターの一人ともいえます。
12. 笠原美智子
笠原美智子は、写真を主なフィールドとしてジェンダー論などを論じるキュレーターです。
第51回ヴェネチア・ビエンナーレ美術展日本館コミッショナーとして「石内都:マザーズ 2000-2005 未来の刻印」展(2015年)を企画するなど、国外での実績も多く認められています。
ジェンダー写真論という分野を切り拓いた第一人者として、積極的に展示企画・著作活動に励んでいます。
13. 蔵屋美香
蔵屋美香は、1993年から2020年まで東京国立近代美術館で学芸員を務め、当館を代表するキュレーターとして様々な活躍をしていました。
2020年からは、横浜美術館の館長を務めています。日本のミュージアムとそのコレクションの関係、そしてその見せ方を大幅にアップデートし、美術館運営に長らく携わるプロフェッショナルです。
また、第55回ベネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館(アーティスト:田中功起)キュレーターも務め、日本館として初めての特別表彰に選ばれました。
14. 水沢 勉
日本とドイツ語圏の近代・現代美術に関心を抱き、日本にウィーン世紀末の作家や著作を数多く紹介してきました。
また、国際展関係でも多くの実績を持っています。1993年、1997年の2回、バングラデッシュ・アジア美術ビエンナーレにコミッショナーとして参加し、2004年第26回サンパウロ・ビエンナーレにもコミッショナーとして参加しました。
また、2008年第3回横浜トリエンナーレ「タイムクレヴァス」アーティスティック・ディレクターも務めました。
日本を代表するキュレーターの一人といえます。
15. 薮前知子
薮前知子は、東京都美術館学芸員として数多くの話題になる展覧会の企画を担当してきました。
「大竹伸朗 全景 1955-2006」(2006)、「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」(2020)、「クリスチャン・マークレー トランスレーティング[翻訳する](2021)など、アート界に大きな影響を与える重要な作家の紹介をしています。
また、国際展としては札幌国際芸術祭2017にも参加し、「Omnilogue: Your Voice is Mine」(2013、シンガポール国立大学美術館)の企画にも携わりました。
16. 逢坂 恵理子
逢坂 恵理子は、2019年より現職の国立新美術館の館長を務め、新聞社やテレビ局が共催者となり、大規模な予算で大規模な動員を狙うようないわゆるブロックバスター展を数多く手掛けてきています。
それまでに務めていた横浜美術館や水戸芸術館とは異なる、一般の客層を集める展覧会を多く企画しています。
多くの若年層を含めた集客を実現した「ダミアン・ハースト 桜」や、「メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年」なども手掛けました。
国際展でも、第3回アジア・パシフィック・トリエンナーレ(1998)日本部門コーキュレーターをはじめ、第49回ヴェネチア・ビエンナーレ(2001)日本館コミッショナーなど、主要なポストを歴任してきました。