写真の歴史は、真ではないものを写すことから始まった。
ダゲールが銀板写真を発明して以降急速に発展した写真技術は、かつてないリアリスティックな表現手法として絵画を超越するとされ、その「真実性」にある種の信仰を置かれていた。そのような時勢の中、ウィリアム・マムラーの手になる心霊写真は人々を驚かせた。現実にはいるはずのない死んだ者が、生きている者とともに写真に映っているのだ。二重露出、今でいう合成技術を駆使して実現されたこの写真は、当時の人の眼には現実としか思えなかった。
すなわち、写真という技術は、その黎明期には、ネガフィルムに映した影に再び光を当てることで光を造形するという技術に他ならなかった。
現代の写真家は、一体どのような「真」を映しているのだろうか?フィルムではなくピクセルに色を写すことが主流になった現代写真機と、フィルム写真機に違いはあるのだろうか?一定の持続のもと露光を行う長時間露出は、写真家にとってどのような意味を持ちうるのだろうか。
絵画とは異なる文脈を持ちつつも、平面の芸術という点で常に意識される写真作品を特集した。感性にも知性にも訴える強度を持った写真を見つけられるだろう。
by Patricia NA / Brazil
W 56.00cm x H 75.00cm x D 1.00cm
写真
JPY ¥33,400 +税 (税込¥36,740)
鏡映しの効果を実験し続けるこの作家は、地球外生物の片鱗を感じさせる造形物を写真から作り出す。
by ValeriX / Ukraine
W 75.00cm x H 50.00cm x D 0.20cm
写真
JPY ¥26,300 +税 (税込¥28,930)
言葉はなくとも、そこに流れる空気、物語までも読み取れるような写真。
by Yoshihito Sasaki / Japan
W 41.00cm x H 31.80cm x D 1.70cm
写真
JPY ¥28,000 +税 (税込¥30,800)
作家独自の技法により写真が究極のマットさを獲得し、色彩の構成を魅せる。
by onowak / Poland
W 21.00cm x H 26.00cm x D 0.10cm
写真
JPY ¥29,900 +税 (税込¥32,890)
演劇的振る舞いとその静止画のあいだの戯れを自在に行き来する作家。
by CHUAN CHENG CHOU / Taiwan
W 29.40cm x H 41.90cm x D 0.20cm
写真
JPY ¥20,900 +税 (税込¥22,990)
身近なものの組み合わせにより、清潔かつ奇妙な静物画が誕生する。
by Biba Art Studio / Italy
W 20.00cm x H 20.00cm x D 0.30cm
写真
JPY ¥28,800 +税 (税込¥31,680)
構図の力により惹き込まれるような効果が生まれている、無彩色の静かな空間。