渡辺おさむは、スイーツデコレーションのパイオニア的存在の日本人アーティスト。
パティシエであり、製菓学校の教師であった母親の影響を受け、「甘いものは幸せをもたらす」という信念で
作品を創るという彼に制作のルーツを伺いました。
Q1.アーティストになられたきっかけを教えてください。
美術大学の頃から作品は制作していましたが、アーティストだけで生活できると全く思っていなかったので、
卒業後は設計会社に就職しましたが1年で辞めて、再び学校に行って設計を学んで、また就職しようと思っていました。
しかし、そこで先生に「渡辺くん設計向いてないよ!アーティストやったほうがいいよ!」と言われ、
その学校も1年で辞めアルバイトをしながら作品を制作していました。
程なく日本にアートバブルが到来し運よくすぐに専業でアーティストとなって10年以上経ち今に至ります。
( H 26.2cm x W 22.2cm x D 5.4cm, 版画作品, 渡辺おさむ,2012)
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Q2.お菓子のモチーフを用いた作品が多いと感じますが、
お菓子を選ばれたきっかけはあったのでしょうか。
美術大学の学生の時に、自分らしい表現は何かという事を考えていた時、
母がお菓子の先生だったので、小さい時に母が作るお菓子の形や色が一番記憶に残っていたので、
それを表現するのが一番自分らしいのではないかと思い、モチーフとしてお菓子を選びました。
(H 34cm x W 19cm x D 15cm, 彫刻・立体, 渡辺おさむ, 2021)
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Q3.作風が出来上がる過程で、
かつて受けた影響や作風の完成の経緯があれば教えてください。
尊敬する作家はイヴ・クライン(Yves Klein)です。
世界をクラインブルーで染めていく独創的な表現の強さが好きです。
私もクリームが侵食していくように世界をデコレーションしていきたいです。
(H 27.3cm x W 41cm x D 1.6cm, 樹脂製クリーム, 渡辺おさむ, 2021)
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Q4.渡辺おさむ様がもっとも重視しているテーマをお伺いしたいです。
テーマは幸せな記憶です。誰にでも誕生日や記念日など、
お菓子にまつわる幸せな記憶があると思うので、
作品を通じて、その記憶を思い起こしてもらえたらと思っています。
(H 37.5cm x W 32.3cm x D 5cm,版画・マルチプル,渡辺おさむ,2012)
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Q5.TRiCERAでは世界中に作品を届けていく支援をしております。
渡辺おさむさんにとって海外に作品が広がっていくことはどんな意味があるでしょうか。
海外に作品を発信する事は、イヴ・クラインブルーのように世界を青で染めて行くように、
クリームが世界をデコレーションしていくイメージが実現できると思っています。
美術の世界だけに限らず、広告、建築、グッズ等のコラボレーションを行い、自分の作品の世界を広げています。
Q6.TRiCERAで掲載中の作品に関して
思い入れなどがありましたらコメントをお願いします。
クリームペインテイングという、絵筆の代わりにクリームで描く作品のシリーズがあります。
誰もがみたことのある有名な絵画もクリームでデコレーションされると、
本来の意味や概念から離れて新しい物語を紡ぎ始めます。
ぜひあなただけの物語を見つけてみてはいかがでしょうか?
渡辺おさむ経歴
渡辺おさむさんは、スイーツデコレーションのパイオニア的存在の日本人アーティストです。
彼の作品は、日本のカワイイ・ムーブメントとよく関連しています。
パティシエであり、製菓学校の教師であった母親の影響を受け、
「甘いものは幸せをもたらす」という信念を持っています。
作品には、デコレーション用のパイピングバッグや、樹脂製のフェイククリームを使用しています。
フェイク・クリーム・アート」という言葉を生み出し、現代アートの新しいカテゴリーとして注目されている。
日本国内の美術館のパーマネントコレクションにも多数の作品が収蔵されている。
また、日本国内だけでなく、中国、トルコ、香港、インドネシアなど海外でも展覧会を開催している。
<展示会履歴>
<2007>
長野県信州芸術館・東山魁夷ギャラリー
<2009>
大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ
アン/リアルのメタファー - アニマミックス・ビエンニアル
上海当代芸術館
<2010>
イスタンブール近代美術館
志賀高原ロマン美術館
<2012>
大原美術館
清須市はるひ美術館
<2013>
高松市美術館
兵庫県立円山川公苑美術館
<2014>
ポーラ美術館別館
高崎市博物館
秋田県立近代美術館
軽井沢ニューアートミュージアム
<受賞歴>
京都アートコンペ2001」審査員特別賞(2001年
第19回ひとつぼ展」佳作(2001年
ターナーアクリルアワード」審査員特別賞(2001年
アミューズアートジャム2007」倉本美津留賞(2007年
「甘いものは幸せをもたらす」という信念で世界をデコレーションで染めたいと考える作家、渡辺おさむ。
クリームを使った独特な作品制作の裏側には、
世界共通の言語である「甘い」や「幸せな記憶」という感覚を鍵に美術の世界だけに留まらず、
様々な人に独自の世界を広げていきたいという思いがありました。
今後も、素敵な作品をTRiCERAで見れる事を楽しみにしています!
今回紹介した作品は全てTRiCERAで取り扱っております。