初回購入時に5%OFF & 送料無料

FIRSTART5

2回目購入時に使える10%OFFクーポンを初回購入後発行!

  • EXHIBITION
  • Animal
  • interview

QUICK INSIGHT Vol.15 無邪気さと素直さを色鮮に映し出す|あやいろ | Ayaïro

2022/02/22
Sophia Wan

アジア圏・ヨーロッパ圏でも話題になっている注目のアーティスト、あやいろ。アメリカのポップアートの要素と日本の古きよき風景を現代アートに昇華させた彼女の作品は懐かしくもありポップで楽しい気持ちにしてくれる。 数多くの国際的な展示歴を持つ彼女の原点からアーティストになるまでの経緯、作品制作等についてお話しいただきました。

(メルヘンのさと - Print.ver, H 33.3cm x W 24.2cm x D 2cm, Painting)

あやいろの新作キャンバスプリント『メルヘンのさと』 🎉15エディション限定で販売しています🎉

作品購入はこちらから


アーティストになられたきっかけを教えてください。

幼い頃からとにかく絵を描くことが大好きで、紙と鉛筆さえあれば1日中静かにしていられる子供だったと聞いています。ただ美大には行かなかったので、現在のスタイルは独学で習得しました。本格的に作家活動を始めたのは2019年くらいからです。当時はまだ、ただ絵が好きで描きためていただけだったのですが、友人の勧めで都内のとあるカフェで個展を開いたところ、「見ていると元気になれる」と言って買ってくださった方々がいて、その時、自分が作るものが誰かの役に立つことがあるのだと感じ、その感覚が忘れられなくて、もっと自分以外の人に向けて描いてみようと決心したのが、作家活動を始めたきっかけでした。

作家ページへはこちらから

現在の制作のテーマについて教えてください。

主に里山の風景とそこに住む子供をモチーフに描いています。もともと大学では英語を専攻しており、カナダへも留学して、日常的に海外の文化に触れることがとても多かったんです。そんな中で徐々に自分が生まれ育った故郷を強く意識するようになっていき、またそれがいかに自分のアイデンティティを形成しているかに気付きました。そのため、作品作りを始めるにあたり、もう一度自らの生まれ育った場所である里山の土地にじっくり向き合い、自分のルーツを掘り下げてみようと決心しました。ですので、制作をするということは、私にとって自分の原点を見つめ直すことでもあるのです。 作品の中で描く子供には、里山で過ごした自分自身の幼少期を重ねているのですが、同時に子供は純粋さの象徴でもあり、描くたびに子供の頃に持っていた無邪気な心を思い出したいという気持ちでも描いています。大人になり、日々情報社会に埋もれながら生きていく中で、だんだんと薄れ忘れてしまうシンプルさ、ありのままでいる大切さを、自然や子供は必ず思い出させてくれます。よく作品には寂しい感じ、郷愁を感じると言われますが、多分それは現代社会の大人にとってそれらが失われた「過去のもの」という感覚になってしまっているからのような気がしています。

作風が出来上がる過程で、意識していることなどがあれば教えてください。

作品をシンプルに仕上げるというのは、1つ意識していることです。シンプルにすることで、どんな人にもメッセージが伝わりやすくすることを大切にしています。余計な情報を排除することで、なるべく見た人が自由に想像できる余白を残すよう心がけています。顔を描かないのも、これが理由です。よく「絵本のような絵」と言われますが、「描かない」ことで、その分そこに強いストーリー性が生まれる気がしています。一旦自分の手から作品が離れたら、自分が込めた感情や、どう描きたかったということよりも、受け手が何を感じ取ってくれるか、そのことが私にとってより重要になります。 また制作と同じくらい大切にしているのが事前のロケハンです。私が制作している作品はほぼ全て、現実に実在する風景をモデルにしています。表現方法はリアルでなくても、題材がリアルであることはとても重要です。最近ではオンラインで簡単にいろんな風景を検索することができるので、もちろんその写真を使って描くことは容易です。でもそれをしてしまうと、どうしても「体験」していない分、そこにリアルな感情が生まれません。私は作家として、自分が生きる中でいろいろな物事に触れ、見たり感じたりしたことを絵に落とし込む作業がとても大事だと考えています。ですので、いろいろな場所へいき、いろいろな風景に出会うことは、実際に筆と絵具で絵を描くのと同じくらい、自分にとって大切なプロセスです。

現在の作風の完成の経緯やかつて受けた影響などがあれば教えてください。

コンセプトという観点からは、ジブリ作品の影響はとても大きいです。特に初期の「となりのトトロ」や「天空の城ラピュタ」などで描かれている自然観は、作品を見るたびにいつも、自分が幼い頃から育んできた感覚そのものだなと感じています。それから、とにかく昭和の雰囲気が大好きで、昭和時代の少女の服装だったり、小物などはリサーチして作品に取り入れたりしています。 表現という観点からは、アメリカのポップアートから影響を受けています。Keith HaringやRoy Lichtenstein、Romero Brittoなど、大衆に開かれた親しみやすさを含みながらも、大胆でカリスマ性の強いビジュアルに強く惹かれます。現在の私の作風は、これらが全てミックスされた形になっていると思います。古き良き日本の文化と、国境や年代を超えて伝わりやすいポップカルチャーの特性を融合した、新しくも懐かしい世界観を目指しています。

作家ページへはこちらから

最後に、実現したい作品のアイディアなどありますでしょうか

今は主に「里山」をテーマに描いていますが、海だったり街だったり、もう少し違う側面から日本を探ってみたいなと思っています。またもっと昭和にクローズアップしたシリーズも展開したいと考えています。いわゆる世界でHOTだと言われている日本の文化って、結局日本の一部でしかなくて、日本人の誇れる文化や精神というのは、普通の日常の中でもいくらでも転がっているものだと思います。別に日本人だから日本を描かなきゃいけないという意識のもとやっているわけでは全然なくて、単純に自分の日常生活の中でいいなと思うことを拾っていくと、全ては日本の美しい精神や自然観につながっていることに気づいた、というような感覚です。なので、今後も日々の実体験を大切にしながら、それを表現していくことで、少しでも自分の母国の良い側面をアートとして形に残していくことへ繋がれば嬉しいです。

作品購入はこちらから

あやいろ/Ayaïro 経歴


1991年東京都生まれ。
自然豊かな里山を駆け回る子供をシンボルにした作品群を描く。
幼い頃から肌で感じてきた地元の風景をモデルに、自然と人との関わり方や生き方を模索している。
懐かしい風景をシンプルな要素とカラフルな色使いで描く、ポップでノスタルジックな世界を展開している。

<アートフェア (抜粋)> 
2021 Art Taipei (台北) 
2020 UNKNOWN ASIA Online  
2019 Art Revolution Taipei(台北) 

<個展> 
2022. 05 Galerie Ovo (台北) 
2022. 02 Waluso Gallery (ロンドン) 
2021 JIKE HAUS (東京)

 <グループ展 (抜粋)> 
2021 “The Very Nice Group Show” Galerie Zberro (パリ) 
2021 “Live” Galleria Avenue / Riverside Club (東京) 
2021 “Super Flat Solutions” Ye Fine Art Gallery / Contemporary Tokyo (上海) 
2021 “Sweet As Summer” Galerie Zberro (パリ) 
2020 “水のある風景” gallery DAZZLE (東京) 
2020 “COLLECTIVE” Park Gallery(東京) 
2020 “ZINE Week” gallery DAZZLLE (東京) 
2020 中目黒 LOUNGE (東京) 
2019 “GIFC Tokyo” アニエスベーギャラリーブティック(東京)

今回紹介の作品は全てTRiCERAで掲載しています。

著者

Sophia Wan