菊地虹 個展 |KO KIKUCHI EXHIBITION
TRiCERA MUSEUMでは、
12/4(土)から12/11(土)の会期にて、KO KIKUCHI EXHIBITIONを開催いたします。
昨年、東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻を卒業、現在は同大学修士課程に在籍しながら
一作家として東京を中心に活動をしています。新たな取り組みや制作に実直に向き合い、
新進気鋭ながらも高く評価を受け今後の注目を集める菊地虹は、
「もの」という実体、曖昧な境界をもちながら連続していく個体のそれぞれを等価な視点で捉え直し、「もの」の姿をむき出しにし、図面上に無造作に配置し、そこに立ち現れる個々の共生や価値の在処、また相等の構造について、実践的に考察を続けています。
「KO KIKUCHI EXHIBITION」(GALLERY b. TOKYO, 2021)より、半年ぶりとなる本個展では、
色彩、絵具や色紙などの素材をコラージュさせた菊地の代表的な作品群《スペクトラムシリーズ》の新作とともに、
お笑いコンビ EXIT・兼近大樹による小説『むき出し』の装画として描き下ろしされた新作を会場にて初公開いたします。
同作で書き綴られた躊躇のないリアルな情景描写からインスピレーションを受け、浮かぶイメージを鮮明に描き捉えたという作品は、物語との連続性を想像させ掻き立てています。
絵画あるいは文芸という垣根を超えて、二人の表現者が関わり合い、
鑑賞者として、また表現者として対話し介入していく一連の営みについても、本作品を通してご鑑賞いただけますと幸いです。
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本個展に寄せ 菊地虹コメント
装画を制作するにあたって小説の原稿を読んだとき、自分でも驚くほどの衝撃を受けました。ひとつひとつ指でなぞるように描写される心情や光景、それらがまるで自分で体験したことかのように鮮やかなできごとして感じられたからです。私は読み終わってすぐに制作に取り掛かり、文章から体験したことをこぼさずに描きとめたい一心でキャンバスに向かいました。絵を観たとき、小説の持つチカラの一片でも感じて貰えたら幸いです。
モノを尊重する態度とは、順番でも優劣でも大小でもない居場所をそれぞれの個に見出し、あえて評価を散逸させるものである。等価値たり得ないモノを、等価値に並べようとする際限なき営みの中に、虚しさにも愛おしさにも所属しない感情が芽生える。その営みの繰り返しの中で、モノはどのように隣合い、並ぶことができるのだろうか。また、並ぶべきなのだろうか。
私の手法では、平面上にモノを個として扱うなかで、それぞれに共有関係を与えていく。それぞれが関係し合い、並び、つながりを得る中で、共有し得ない個が立ちあらわれる。一緒くたになりたいと願い、関われば関わるほどそれ特有の個は反比例するように強まる。そのどうしようもないバラツキの中に生まれる、絶え間なく移動するモノのあるべき居場所を、あてもなく眺めている。
開催概要
菊地虹 個展|KO KIKUCHI EXHIBITION
会期:2021年12月4日(土) ー 12月11日(土)
営業時間:月〜土 11:00-19:00 (※日曜のみ休廊)
会場:TRiCERA MUSEUM
〒108-0074 東京都港区高輪3-22-5 SDS高輪ビル 2F (ギャラリースペース)
アクセス:JR 品川駅徒歩6分
連絡先:03-5422-8370
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プロフィール
1994年東京都出身。2020年東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻を卒業。
主な個展には「KO KIKUCHI EXHIBITION」(GALLERY b. TOKYO, 東京, 2021)、「菊地虹 個展」(Room_412, 東京, 2020)、があり、主な受賞歴には「ターナーアクリルガッシュビエンナーレ2018 入選」がある。
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今回ご紹介の展示はTRiCERAが運営しています。