ARTIST CONNECTについて
本企画は、最近TRiCERA ARTに参加された方へインタビューを行い、お話の最後にお知り合いの作家さんを紹介していただく不定期企画。
今回は
ichigomochiさんにご紹介いただき、マツモト ユウキさんとお話をさせていただきました。
マツモト ユウキさんと作品について教えてください。
本格的に絵を描き始めたのは10代半ばくらいです。大学は油画科でした。私の通っていたところは写実的な表現が強く、私も絵に説得力を持たせたいと思いデッサンに取り組んでいました。
10-20代の時は、自分を出すよりも、たくさんの人で一つの作品を作ることに憧れていました。自分一人で描くのではなくて、誰かの助けになるような絵を描いていきたいと思っていました。その気持ちの背景には、自分自身の自信のなさがあったと思います。人の作品を見ていて、自分は発想力がないな、頭が硬いな、と思ったり…心が折れそうになることもありましたが、それでも絵を描くことはずっと好きでした。
そういった気持ちもあり、多くの人で一つの作品を作るアニメーションの会社に就職しました。私は背景美術を担当することになったのですが、しばらくして、過労で倒れて退職することになりました。何度も「もう絵を描かない」ことを考えました。けれど、展示のお誘いをいただいたりと人のご縁もあって、こうして描き続けています。
今のような絵を描き始めた大きなきっかけは、娘が生まれた経験です。日常の中にある幸せな気持ち、ホワホワする気持ち、覚えておきたい気持ちを絵に残そうと思って描いています。
元々、辛いことや悲しいことに共感しやすい性格で、だからこそ、幸せな気持ちをちゃんと残していこうと思っています。それは、派手な幸せというよりは、「朝ごはん美味しかったなー」とか、本当にちっちゃかったり、見過ごしてしまうかもしれない幸せで、そういう気持ちをちゃんと一枚一枚丁寧に描いて、積み上げていきたいと思っています。
絵を描くときは、周りの人への感謝の気持ちを込めています。自分の絵は絶対に誰かしらモデルが必要で、周りの人がいなければ絵が描けないんです。
マツモト ユウキさんの作品一覧はこちら
タイトル:紫陽花の季節
“手のひらに乗っているちっちゃな女の子は、心の中にいる女の子。悲しいことがあったとしても、心のどこかに生まれているかもしれないちっちゃい幸せが形になった子だという。ここにいるよ、と見る人の心に呼びかけるようだ。”
タイトル:甘いものとコーヒーがあれば、人生はしあわせ
“コロナ禍で通常の卒業式が行えなかった妹。振袖は予約済みだった。式へ出席する代わりに母とお茶をした妹が「楽しかった」というのを聞いて描いたという。通常の卒業式がなくなって悲しい気持ちの中にも、甘いものを食べて、家族と話して、感じられる温かな幸せがある。”
TRiCERA ARTに参加しようと思ったきっかけはなんですか。
作家のいちごもちさんの紹介が一番大きなきっかけです。
あとは、海外への販売はTRiCERAさんへお任せするのがいいと思ったからです。
実は、インスタグラムを始めて、初めて絵を買いたいと声をかけてくれたのが海外の方でした。
その方とは拙い言葉でやりとりをしながら、やっとのことで購入まで至って、絵をお渡しすることができたんですが、やはり海外の方とはやりとりが上手く行かないことも多々ありました。
個人でやりとりをするより、TRiCERAさんを通じて販売できたら、と思ったことが大きいです。
ichigomochiさんのインタビュー記事は
こちら