緻密かつ独創性に溢れるアートを生み出し「ボールペン一本で勝負したい」と語る鈴木潤の姿勢は、刀に懸けた侍のそれの様に頼もしく、又、清々しい。20代前半で本格的に活動を開始して以来、コンペティションの受賞や「細密画展」参加、2020年には個展の開催等、精力的な活動を見せる。
父は陶芸家で母は絵付け師。幼少期より芸術に親しむ中で自然と絵を描き始めた鈴木に衝撃的な出会いが訪れるのは中学生時代。大友克洋の漫画「AKIRA」、細かく描かれたペンの線に魅せられ、模写、研究を重ねる。また、60・70年代の洋楽アルバムジャケットやアートポスターにも影響されたと語る通り、緻密に描き込まれた種々多様なデザインだけでなく、優れた画面の構図やバランス感覚に鍛錬の日々が結実されている。
主にケント紙とボールペンを使用した表現にこだわる彼は、気も遠くなる様な細かな線・点描だけでなく、幅を広げる為、別紙に描いて切り貼りする手法を試す等日々の探究を止むことはない。愛や生命のエネルギー、異世界や生死などの大きなテーマを、親しみやすくも意外性に富んだ芸術で表す。自らの人生を画面に凝縮し、鑑賞者と心で繋がる生命の宿るボールペン画を極める旅は続く。
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